デフレと円高 2010 2 7

書名 デフレと円高の何が「悪」か
著者 上念 司  光文社新書

 この本では、デフレと円高が、
日本にとって、なぜ問題なのかを説明し、
デフレと円高を止めなければならないと説く。
 さらに、現在の状況で、
消費税を上げれば、デフレスパイラルが加速すると説きます。
 確かに、これは、当たり前のことでしょう。
しかし、相変わらず、消費税増税が必要と主張する人が多いのです。
 そういう主張をする人に限って、
高給取りだったり、豪邸に住んでいたりするわけです。
 高級酒を飲みながら、あるいは千円以上もする昼食を食べながら、
「消費税増税が必要だ」とつぶやくのです。
 一方で、庶民は、発泡酒では高いので、「第三のビール」を飲み、
昼食の時は、「牛丼の380円は高い。
確か、数年前、280円の時もあったはずだ」とつぶやくのです。
 この落差は大きい。
高級官僚という言葉がありますから、
高級な家に住み、高級な食事をする「高級政治家」という概念があってもいいでしょう。
高級政治家と庶民の隔壁は、ベルリンの壁より、強固なものでしょう。
 現在の状況で、政府が消費税を上げれば、
企業としては(小売としては)、それを価格転嫁できないでしょう。
 庶民の間には、デフレ期待というものがありますので、
つまり、「今買うより先送りした方が安くなる」というデフレ期待がありますので、
なおさら、価格転嫁はできないでしょう。
 結局、企業は、増税分を自分でかぶるでしょう。
そうなると、企業は、経費削減、つまり給料カットをするでしょう。
給料をカットされた庶民は、小売に対して、強く値下げを求めるでしょう。
 さて、この本には、数式があります。
しかし、簡単なものですから、引用しましょう。
税収=名目GDP×税率(税収弾性値は省略)
 この十数年、政府は、結果的に、
名目GDPを小さくする政策を実施してきました。
その結果、税収不足を嘆くことになりました。
 「なぜ名目なのかというと、
税金は常に名目の売上にかかるからです。
インフレやデフレで実質的な価値が変化しても、
名目価格が100円である限り、消費税は5円です」

GDP 2009 12 31
 2009年12月31日の時事通信社のニュースでは、
主要国の名目GDPのグラフ(2000年から2014年)があります。
 アメリカは、ひたすら右肩上がりにGDPが大きくなっています。
一方、日本の名目GDPは、2000年から2007年頃まで低迷しています。
 来年(2010年)こそ、アメリカのように、
名目GDPを大きくする政策を実施してほしいものです。















































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